未解決事件

【未解決連続殺人事件】佐賀女性7人連続殺人事件とは



佐賀女性7人連続殺人事件とは、1975年~1989年の間に佐賀県で計7人の女性が殺害された事件である。

殺害された女性のうち、6人が水曜日に失踪していた事から「水曜日の絞殺魔事件」とも呼ばれている。

 

事件の詳細

 

女性2人の遺体が発見される

 

1980年6月24日。

佐賀県杵島郡白石町須古小学校北校舎のトイレ便槽内で、女性の腐乱死体が発見された。

警察が捜査を続けると、6月27日にはプール専用トイレで、石で隠された白骨死体が見つかった。

便槽内で発見された腐乱死体は、同年4月12日に失踪した喫茶店アルバイトの百武律子さん(当時20歳)であると判明した。

遺体発見場所のトイレは、2ヶ月に1度汲み取り作業が行なわれており、百武さんは失踪した直後に殺害され、便槽内に遺棄されたと考えられている。

百武さんの自宅は小学校から5kmほどの距離にあり、百武さんは家に1人でいたとみられる。

20歳の誕生日を翌日に控えていたが、彼女はこれまでに2度自殺未遂をしており、日頃から「20歳の誕生日に自殺する。」と周囲に漏らしていたとう。

失踪から4日後の4月16日。

百武さんの父親宛てに「娘ハ帰ラナイダロウ、オ前モ苦シメ。」と書かれた手紙が届き、「人捜しのテレビに出演するな。」という内容の脅迫電話もあったという。

百武さんに続いて、プール専用トイレで発見された白骨死体は、山崎十三子さん(当時12歳)だと判明した。

白骨化した遺体の上には、石が100個ほど積まれていた。

1975年8月27日夜。

スナックを経営する母親が勤めに出た後から、山崎さんの行方が分からなくなっていた。

自宅のテレビはつけっ放しになっており、靴もそのまま残されていた。

 

犯人に繋がる手がかり

 

ある日、捜査本部に一本の電話が寄せられた。

「私は大町町の出身で、いまは武雄市に嫁いでいます。用事で里帰りをした夜、男が隣の家に住む百武さんを車に運び入れるのを目撃しました。本名で名乗り出ると、姑に黙って実家に帰ったのがバレてしまって、怒られます。ですから名前を明かせません。」という内容だった。

翌年3月12日。

重要参考人として浮上していた農業を営むA(当時29歳)が、事件とは別件の暴行容疑で逮捕された。

Aが疑われた理由として、被害者の二人と知り合いだった事が挙げられた。

重要参考人であったが、これといった証拠がないため、この2件の事件について、Aへの追及は打ち切られた。

 

3人目の被害者

 

1981年10月7日。

主婦の池上千鶴子さん(当時27歳)が職場から帰宅途中に失踪する。
池上さんは、工場での勤務を終えて、午後5時半頃にスーパーで買い物をした後、行方がわからなくなった。

スーパーの駐車場で「自動車に乗った30代くらいの男性と話しているところを見た。」と同僚が証言している。

失踪から2週間後。

スーパーから約40km離れた空地で池上さんの遺体が発見された。

死因は電気コードによる絞殺で、性的暴行をされた形跡はなかった。

 

4人目の被害者

 

1982年2月17日、午後4時過ぎ。

北茂安小学校に通う5年生の西山久美さん(当時11歳)は友達2人と一緒に下校し、友達と別れた後、一人で自宅に向かっていたが、この直後に消息を絶った。

そして翌朝、午前11時半頃。

ミカン畑の中で、ランドセルを背負ったままうつ伏せで倒れている久美さんの遺体が発見された。

久美さんの下半身は裸、首には絞殺する際、使用した凶器とみられるストッキングが巻きつけられていた。

久美さんが何者かに殺される直前、車に乗った怪しい男が何人にも目撃されている。

 

5、6、7人目の遺体が発見される

 

1989年1月27日。

山林で花を摘んでいた主婦が崖下で女性の遺体を発見する。

警察が捜査すると、遺体の横に別の腐乱死体と白骨死体があった。

最初に発見された遺体は、25日に行方不明となっていた吉野タツ代さん(当時37歳)だと判明した。

吉野さんは失踪当日の午後7時前に、勤務先から帰宅。

長男と実母と夕食を食べていたが、7時20分ごろ、電話がかかってくると、慌てた様子で出かけていった。

実母には「友人を山内町まで送ってくる。」と話し、長男には「友達と食事に行ってくる。」と別のことを話していた。

なお、吉野さんの勤め先は、1981年10月に殺害された池上さんと同じである。

そして、腐乱遺体は同じ北方町の主婦・中島清美さん(当時50歳)だと判明した。
1988年12月7日午後7時20分頃。

中島さんは「バレーボールに行く」と言い残し、自宅を出た後、行方不明となっていた。

白骨死体は、1987年7月8日に行方不明となっていた料理店の仲居、藤瀬澄子さん(当時48歳)だと判明した。

失踪当日の夜、仕事が終ってから同僚と一緒にスナックへ行った後、同僚と別れて、自宅までの道のりで行方がわからなくなっていた。



事件の共通点

 

・被害者が全員女性

・7人中6人が水曜日に絞殺されている(藤瀬さんの遺体は白骨化しており、死因の特定ができなかった。)

・夕方から夜にかけて被害者が一人でいる時に失踪している

・白いセダンタイプの自動車に乗った男がいくつかの事件で目撃されている

・争った形跡が無く、顔見知りの犯行である可能性が高い

・6人中2人は勤め先が同じだった

 

まとめ

 

いかがだっただろうか?

弱い立場の女性ばかりを狙った残忍な殺人事件だが、捜査線上に上がった人物はいずれも証拠不十分で逮捕まで至らず、7件とも時効が成立し、未解決事件となっている。

現在の科学技術を駆使すれば、事件解決への糸口が見つかるかもしれないが、時効が成立している以上、事件の再捜査が行われることはない。